国立新美術館での「第一美術展」を観る。 [展覧会・美術館・博物館]
「オルセー美術館展」「日洋展」そして「第一美術展」と、この日は3つの美術展を
ハシゴした上、銀座八丁目の「兜画廊」で知人の個展を観たので、美術観賞三昧の
1日であった。
「第一美術展」は、公募展で長い歴史を数えており、展示作品の膨大さに驚いた。
アジサイを球形にまとめた作品は、先々月だったか、長崎県美術館の二紀会の移動展
に展示されていた郷土作家の、題材に赤迫付近の山茶花の濃い緑の葉の中に鮮やかな
ピンクの花を球形に美しくまとめ、背景に飯盛の人参畑の緑を合成した作品に似ていたので、
同じ作家ではないかと思ったほどだった。
「びわ」の作品には、長崎名産だからつい惹かれてカメラに収めた。
彫刻、工芸作品もああり、観賞に時を忘れた。
「兜画廊」を出て、しばらく銀座を歩いたが、歩行者天国には珍しく、人通りがなかった。





長崎県美術館での嬉しい半日。プラドの「エル・グレコ特別展示」、山下 清展、ばら展など今が旬。 [展覧会・美術館・博物館]
長崎県美術館の開館5周年を記念する催しに、スペインの首都マドリードに
所在するプラド美術館から、、ゴヤ、ベラスケスに並んでスペインの三大巨匠と称される
エル・グレコの作品「聖母戴冠」が借り受けられて特別展示されている。
プラド美術館と言えば、スペイン国内はもとより、パリのルーブル、ロンドンの大英博物館
などと共に世界屈指の優れたコレクションを有し、特に西洋古典画の宝庫である。
エル・グレコの「聖母戴冠」は、5点の油彩が現在残されているそうだが、15年前に
スペイン一周の旅で、世界遺産都市トレドの「エル・グレコの家」近くのホテルに
泊まり、サンタ・クルス美術館でエル・グレコの作品群に圧倒された。
マドリードでは、プラド美術館でゴヤの「着衣のマハ」と「裸のマハ」の対象絵画を
観てしばし立ち止まり、国立近代現代美術館では、プラド美術館別館から移されて
間もないゲルニカを、やはり防弾ガラス越しに観て深く感動した。
あの有名なプラド美術館と長崎県美術館との相互交流協定にも驚いていたが、
今回の特別展示の快挙には感謝したい。
いま、長崎県美術館では、山下 清展。長崎県書道展。長崎ばら展など多彩な催しがあり、
今が旬である。





阿修羅の観賞に、あきらめ感。200分待ち。 [展覧会・美術館・博物館]
9月27日(日)まで、九州国立博物館で開催中の「阿修羅展」は、まさに人気沸騰の日々
が続き、15日現在で52、7000人を超える入館者を数え、九州国立博物館開館以来の
入場記録となっているそうだ。
9時30分開館に備えて、早朝7時には開かれる駐車場は直ちに満車。
博物館も10時頃からのピークには、4時間待ちが常態化し、今日14時頃の問い合わせでは、
200分の待ち時間だと知らされた。
土日には、2万人、平日でも1万3千人を大きく超え、最終閉館日までには、80万人に
達する勢いだと聞かされると、長崎市の興福寺からも、貴重な仏像などが出展されており、
先日も入館出来ずに引き返したので、是非とも観賞したいのだが、帰りの時間程を考えると、
諦めなければならないかな?と沈んでいる。





亀山社中記念館に初見参。近所の茶店と売店も好調。 [展覧会・美術館・博物館]
8月1日にオープン以来1万5千人を超える入館者で賑わいを見せている
「亀山社中記念館」に入館料300円を払って、「初見参」した。
「初見参」と言うのは、長崎市は、我々が、20年以上も前から、この地区と
坂本龍馬との関わりを顕在化する活動を続けて来た「亀山社中ば活かす会」
への正式な挨拶も招待も無いままに、活動の成果や龍馬のブーツはじめ、
銅像、記念碑など民間の力で建立したすべてを、一言の断りもなく、
当然な事のように横取り利用したばかりか、大河ドラマ「龍馬伝」に目がくらみ、
民間施設に数千万円を投じて改修工事を行い、市民の力で積み上げて来た
活動成果とノウハウを有する「亀山社中ば活かす会」を疎外して、
「竃山社中記念館」をオープンしたからである。
まあまあシンプルな展示は評価できた。
新しく開店されている民間施設「亀山の里」からの市内俯瞰と展望が素晴らしい。
我々の「龍馬のブーツ」と入館料無料の「亀山社中資料展示場」も龍馬ゆかりの神社、
若宮稲荷境内に建つ「小さな龍馬像(原型)」も、観光客でごった返しの賑わいであった。
両施設の有機的な共存、役割分担、ガイドの相互交流などが望ましいが、
長崎市は動かない。言うまでも無く、すべての展示施設を観光客に無料で観覧して頂くのが
「亀山社中ば活かす会」の本旨である。





阿修羅展。大盛況で入館できず出直す。 [展覧会・美術館・博物館]
阿修羅展の人気の高さは聞いていたが、九州国立博物館まで来てみて仰天した。
市議会の一般質問の準備が整い、お墓参りを終えて、一息ついたので、
やっと取り付けたETCで高速道1,000円の快感?を味わい、九州国立博物館の
阿修羅展を観ようと思い立った。
「遅い時間なら空いているだろう」とたかをくくって長崎を14時頃出発した。
16時前に博物館駐車場に着いたが、何と「80分待ち」と言う。
びっくりして周辺の駐車場を探すこと1時間。大宰府西入り口付近にやっと見つけて、
先ずは天満宮に参拝。鼻歌交じりで登りエスカレーター入り口へ行くと
「只今70分待ち」の表示に2度ビックリ。誇大表示では?と安易に考え、
長ーいエスカレーターで博物館へ着くと、まさに長蛇の列、幾重にもグルグル廻って
入り口付近は大混雑、整理のスタッフも汗だくであった。
「今日はダメだ」と観念してレストランで一休みしようにも、「20分待ち」の表示である。
問い合わせしなかったのは、大きな間違いだった。
中年のカップルが「2時間待っただけの価値はあったね。うん。」と語りあいなから
通り過ぎるのを聞き漏らさず、長崎の興福寺の宝物の展示もあるので、
山登りを引き返す勇気!で気を取り直し、「また来るさ」と帰路についたが
往復6時間分の疲労が重なった。





第40回日展。2つの会場で観賞。特選の知人の書も。 [展覧会・美術館・博物館]
「日展」は、明治40年に、文部省主催の美術展覧会「文展」として始まった。
以後、大正8年の「帝展」、昭和12年の「新文展」、そして昭和21年に、「日本美術展覧会」
として再出発し、昭和33年に「社団法人日展」に民営化され、昭和44年の改組を経て
現在に至っており、100年以上の歴史を持ち、現在の組織になって40回目を迎えている。
「日展」は、現代の日本美術を代表する作家の大作が競って出品され、日本画、洋画、彫刻、
工芸美術、書の5部門について東京で審査展示されたもの中から、優秀な受賞作品や
郷土出身作家の力作が地方を巡回する。
今回の「第40回日展・長崎展」は、長崎新聞創刊120周年、長崎市制施行120周年を記念して、
4年振りに長崎に誘致され、現代日本美術の最高級の作品や長崎県出身作家の秀作を
観賞出来る機会が得られた。
洋画と彫刻は長崎県美術館で、日本画、工芸美術、書は長崎歴史文化博物館の2会場に
分かれて展示されており、シルバー割引きの800円で両館を共通観賞できた。
著名な作家や知人の受賞作品などを身近に観賞し、作品群の美の極致に感動した。





長崎市美術工芸展オープン。 [展覧会・美術館・博物館]
市制120周年を記念して、「長崎の美術工芸展」が長崎市歴史民族資料館で開かれている。
8月1日のオープニングセレモニーで、そのすべてを観た。
長崎市が所蔵するものに、個人、団体の協力を得て、秘蔵品を借り受けた展覧会で、
絵画、版画、絵巻物、ガラス器、陶器、鼈甲工芸、長崎刺繍などの秀逸品を一堂で観賞できる。
また、野口弥太郎美術館も一階部分に一時移転して来ており、僅か100円の入館料で、
長崎芸術の極みに接する事が出来る。(長崎の美術工芸展は無料)





国立西洋美術館、東京国立博物館を巡る。 [展覧会・美術館・博物館]
久し振りに時間を得て、上野の森へ足を運び、国立西洋美術館と東京国立博物館を巡った。
考える人、カレーの市民、地獄門、ヘラクレスなどの彫刻群に迎えられるかのように、
開館50周年記念事業企画展を観た。
松方コレクションの1万点にも及ぶ所蔵品は、太平洋戦争の敗戦により敵国財産として
フランス政府に没収されていたが、外交交渉の末、きちんと展示できる美術館の建設を条件に、
主要作品が返還されたもので、フランスの建築家ル・コルビュジエ氏設計による
「成長し続ける美術館」として国立西洋美術館は誕生した。
その50周年記念企画展が催されていた。
この西洋美術館を世界遺産に推す運動があったが、残念ながら今回は候補に成らなかった。
また、東京国立博物館では、第62回式年遷宮記念の「伊勢神宮・神々の美術」特別展が
開かれており、上野でお伊勢参りが出来た。
もう一つの企画展は、藍が彩るアジアの器「染付」展である。白磁に鮮やかな藍色が染め
付けられた秀逸な作品が一堂に集められており、重要文化財などの貴重品を観賞できた。
国立科学館は、時間がなくて、玄関先の鯨の展示だけを観た。





博多駅周辺の美術品。 [展覧会・美術館・博物館]
博多駅周辺には大型の彫刻が、その存在感を示している。
市制100周年を記念して、市民の募金により博多駅前に設けられた
ヘンリー・ムーアの「横たわる母と子の像」の豊かさと安定感は、いつ観ても
ホッとする。駅前金融機関の「歩く\x8F怡人」も面白い。
天神エルガーラの「あくびするカバの親子」は、背中に乗った鳩?も笑っている。





豊田市美術館で現代アートを観る。 [展覧会・美術館・博物館]
豊田市美術館は、市内の高台、七州城跡の3万平方メートルもの広大な敷地に
1995年11月に建築され、近・現代の作品が展示されている。
自慢の所蔵品はクリムトの作品(時価40億円)である。
7日は、現在、世界的に最も注目を集めているアーティストの一人と言われている、
イタリアの「ジュゼッペ・ペノーネ」の企画展の開会日であった。
ペノーネの作品は、人間を含む自然の事象の中から、目には見えないものを目に見える
様に引き出して形にしたもので、彫刻なのか、絵画なのか、やはり彫刻作品と思える
大作ばかりで、学芸員の説明を聞いて初めてわかるような、聞いても良く理解出来ない
ような難解な作品が多かった。
岩石、鉄、木、皮、木の葉、植物のトゲなどを使用した現代アート群の中に浸っていると、
何だか母親の胎内にいるような安心感と癒やしの空間を感じた。
その感想を若い女性学芸員に話すと、「感じていただくために、詳しく話しませんでしたが、
それ、それ、それです」と説明が伝わったと喜んで下さった。
ちなみに、この美術館には8人の学芸員が活躍中で、「美術館は指定管理には出来ません」
と、きちんとしたプライドが示された。




